店舗の設計
店舗の企画・施工内装の前にまず一番重要なのは看板です。看板は自分の店の存在をアピールし、通行人の目を引きつけるための最も有効な手段なのです。ほとんど付け足し程度にしか考えていない経営者の方もいるようですが、印象の残らない看板は客に見られていないのと同じ事です。遠くの車からでもはっきりと存在がわかるようなものが必要です。看板には知恵とお金を充分に使って、効果的なものを作りましょう。
その上で店舗レイアウトを考えていきます。店舗レイアウトの最大のテーマは、矛盾した要求をいかに解決するかということです。限られたスペースの中に、いかに客席数を確保して、しかも居心地のいい空間にするかにかかっています。客席のスペースを多く取れば、当然、厨房は狭くなります。その狭い厨房を働きやすくするにはどうしたらいいでしょう。これはかなりの問題です。
しかし席数と売上げは必ずしも比例しないのです。図面上では客数は取れても、すべての席が有効に稼働しなければ、無理して詰め込んでも意味がありません。まして、最近のお客はゆったりとくつろげるお店を選びます。図面上の席数で自己満足するよりも、はじめから生きた席をできるだけ確保するように、考えるべきでしょう。
厨房については、働きやすいスペースにする事が第一のポイントです。調理作業は働く人によって、それぞれのやり方やクセがあるものです。もし、あなたが調理するならば、あなたが働きやすい厨房にする事に知恵を絞りましょう。
こうして客席と厨房のバランスを考えて、設計会社にできるかぎり具体的に依頼内容を伝えて、当初に描いたイメージデザインを忠実に設計図に反映してもらうようにします。設計図はまた、店舗が建築基準法および消防法にのっとっているかどうか、工事に関するトラブルや改装工事の際の重要な資料となりますから、必ず保管しておきます。経営者の意向が設計者にうまく伝わらないまま工事が始まり、やり直すというケースもあるそうです。設計図には、カウンター、椅子、テーブル、厨房設備などの配置を描いた平面図、立体的な構造を詳しく書いた部分図、照明器具やコンセントなどの位置を示した配線図、店の正面出入り口や看板などを正面からみた正面図などがあります。専門家のように読みこなすことはできなくても、せめて各部分の数値くらいは自分でも確認しておきましょう。これらの設計図に基づいて、施工業者に工事別金額と総工事額の見積もりを依頼する事になります。通常は設計会社が系列・関連の会社を紹介してくれますが、この際、遠慮せずに、数社の見積もりをとることが、肝心です。(1円でも安くあげるにこした事はありませんからね)。そして施工業者が決まって工事に入る前には、必ず、工程表を作ってもらいます。工事中はなるべく工事現場に顔を出し、工事が工程表通りに進行しているか、設計図と実際の現場に食い違いが生じていないか、また施工に雑なところがないかなど、様々なチェックをし職人にお茶をふるまったりして、快く働いてもらいましょう。建築に関しては素人でも、店づくりへの情熱を一人ひとりの工事関係者に伝える事が大事なのです。また、工事がすべて終わっても安心せずに、設計図や仕様書の通りにできているかどうかを最終チェックしなければなりません。この作業は素人には無理なので、設計業者に依頼するといいでしょう。
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